
記念すべきシリーズ第1回目・ローカル線の旅は「明知鉄道」をご案内する。
「明知鉄道」は1985年に国鉄明知線を引き継いだ第3セクターの路線で岐阜県南東部に位置する恵那市を走っている。
木曽川中流の美しい渓谷で有名な恵那峡の最寄駅でありJR中央線とも接続する「恵那駅」を起点とし、途中2つの峠を越えた先、戦国時代に幾多の戦の舞台となった明知城のある「明智駅」を結ぶ11駅で全長25.1㎞の路線だ。
---今回の旅は2010年1月4日(花白駅には1月3日)に訪れた時の模様である。---

前日に名古屋から恵那駅まで移動し近くのホテルに宿泊していたので、朝のきれいな景色を期待して駅に向かった。
すると阿木川に架かる橋の上で、白髪の老人が川に向かってなにやら投げ込んでいる。
眼下の川面を覗いてみると、阿木川の中でたくさんの鯉が投げ込まれたパンの耳に群がって集まっているではないか。
思わずご老人に声をかけ話を聞いてみた。
地元の方ではなかったが頻繁にここを訪れているとの事で、その度に宿泊先でパンの耳をもらってはこの場所で鯉に餌を与えているのだそうだ。

確かに鯉を見てみると老人が来るのを待っていたかの様に勢いよく集まってくる。ひととおり餌をまきおえた後、一緒に恵那駅まで話をしながら歩いていったのだが、何故川にたくさんの鯉がいたのかを聞きそびれてしまった。
鯉が泳いでいたあの阿木川の水は川底がみえる程澄んでいたので、これからの旅が楽しみになってきた。

そして恵那駅の改札口までやってきた。
本来ならここで大変お得な「極楽フリーきっぷ」(土日祝日限定で全線1日乗り放題・大人1000円・2010年3月28日まで発売)を使いたかったのだが、あいにく今日は月曜日。泣く泣く岩村駅までの切符を購入した。

ホームではカラカラとアイドリングするディーゼル音を響かせて「ぎふ清流国体 2012」と書かれたヘッドマークを誇らしげに掲げた「アケチ10型気動車」が静かに出発を待っていた。
車内を見渡すとお年寄りと学生が4~5人程乗車している。
どこの地方でもローカル線の乗客はお年寄りと学生ばかりだ。
徐々に日が差しこんできた前方の線路を眺めてみると今朝は冷え込んだせいか、辺りはうっすらと白くなっている。
さあ、いよいよ明知鉄道の旅の始まりだ。
(すべての写真 2010年1月4日撮影)
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